しょうぼうじどうしゃ じぷた
街の消防署には4台の車がありました。高い場所の火も楽に消せるはしご車、強い水圧で一気に消火するポンプ車、けが人をすぐ病院へ運ぶ救急車、そして古いジープを改良した小さな消防自動車“じぷた”です。
華やかな仕事ぶりの3台に比べて、じぷたは自分が小さくて、役に立たないと引け目を感じています。
そんな時山小屋で火事が起こり、じぷたに出動命令が下されます。
小さく強い車体を活かして、山道をぐんぐん登って現場に向かいます。
オレンジ色に大きくじぷたが描かれたこの絵本は、家でも図書室でも児童館でも、子どもの本棚にはいつでもあった気がします。
初版は1963年ですが、そこから現在まで、常に絵本の第一線で読まれていることに驚きます。
子どもたちの大好きな車が主役、そして小さいながらも一生懸命頑張る姿に共感するのかもしれません。実際自分が子どものころは、大きなはしご車やポンプ車は大きなお兄さんお姉さんで、じぷたは自分のような気がしていました。小さくても頑張るじぷたはちびっこたちのヒーローで、いつの時代にも不変のテーマなのだと思います。
しょうぼうじどうしゃじぷた
渡辺 茂男:作/山本 忠敬 :絵
福音館書店
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