やっちゃダメって言ってるのにやっちゃう話
11歳の娘は小さい時から落ち着きがありません。
ちょこまかしていて、公園に行ったら、瞬きしている間にどこかへ行ってしまいます。
さっきまでそこで遊んでいたのに、振り向いた瞬間、別の場所で遊んでいたりします。
大きくなった今もあんまり変わらず、もう6年生なのに、公園に行くと水に放たれた魚みたいにいなくなります。
目に入ったものは何でも触ってみたくなっちゃって、宿題を取りにランドセルまで行ったのに、戻ってくる途中にあるもの全部に引っかかって、なかなか戻って来ません。
調理中のフライパンをちょっと揺すってみたいけど、「危ないから触らないでね」と母に言われても、そっと手を出し、揺すって怒られます。
弟と喧嘩して、頭にきて手を出そうとしているので、母が「叩いたらダメ」と言っても、直後にそっと手を出し、弟を小突いて怒られます。
ほんとにもう、怒られに来てるとしか思えません。
糸を引っ張ったら穴が開きそうな服も、あえて糸を引っ張って穴を開けてしまい、聞くと「やってみたかったから」…。
小さい時は「好奇心旺盛でよし!」と思っていたけれど、大きくなってもやめられないのは、さすがに心配になります。
いつか、なにか、しちゃうんじゃないかとか。
「押しちゃダメ」ってボタンを、そっと押してしまうんじゃないかとか。
本気でそんな心配をしていたら、まさに娘の本かと思うくらい、ぴったりな絵本を見つけてしまいました。
かわいいモンスターが、大きなボタンを「ぜったいにおしちゃダメ」と忠告します。
「がまんして」とか「考えてもダメ」と言いながらも、「でもおしてみたいよね?」と誘惑し、ついには「おしちゃおう!」と迫ります。
こんな風にならないといいなと思いつつも、ボタンを押すまでの葛藤がすごくよくわかります。
ダメって言われると、余計にやりたくなっちゃうんですよね。
大人だってやっちゃうかも。
「やっちゃダメ」は「やってみたい!」に変わる、魔法の言葉なんだなと、ちょっと反省しました。
だからって、ダメなものはダメなのですが…。