お姉ちゃんってこんな気持ち『あさえと ちいさい いもうと』
あさえにはちいさい妹がいます。とことこ歩く、かわいいあやちゃんです。
お母さんが出かけてしまって、あさえはあやちゃんと二人で外で遊ぶことにしました。道路にチョークで線路を描いてあげると、あやちゃんは大喜びです。もっともっと喜ばせたくて、あさえが夢中で線路を描いていると、いつの間にかあやちゃんがいなくなっていました!
子どもの頃初めて読んだ時、自分の事が書かれているのかと思うくらい、びっくりしたのを覚えています。自分がちょうどあさえと同じくらいの頃、ちょうどあやちゃんくらいの妹がいて、薄茶色の柔らかい髪の毛や、水玉模様のかわいい服など、本当にそっくりでした。
そして本当に妹って、ぱっといなくなるんです。
心臓が飛び出る程ドキドキして、「何かあったらどうしよう!」と探し回るけど、どうしてそういう時って、誰もかれもが妹みたいに見えるのでしょうか?
そしてそんなお姉ちゃんの心配をよそに、どうして妹ってあんなにのんきなんでしょうか??
あさえのドキドキが手に取るようにわかり、今も昔も胸が痛みます。
そして最後の場面では、あさえと一緒に緊張の糸が切れて、涙ぐんでしまいます。
小さくても「お姉ちゃん」「お兄ちゃん」を一生懸命がんばる子どもの心を、すぐ近くで見てくれて、寄り添ってくれる、やさしい絵本です。
あさえと ちいさい いもうと
筒井頼子:作/林明子:絵
福音館書店
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