やってみたい!が いっぱい詰まった『ひとまねこざると きいろいぼうし』
今では“おさるのジョージ”として有名な、ひとまねこざるの1作目です。黄色い帽子のおじさんに連れられて、アフリカから街へやって来たジョージが、次から次へと騒動を起こします。
船ではカモメの真似をして飛んでみたら海へ落っこちて、おじさんの家では電話がおもしろくて消防車を呼んでしまい、怒られて牢屋に入れられてしまったけれど窓から抜け出し、電話線を伝って風船の束で空を飛んで行きます。
目の前の事、目に見えた事を何でもやっちゃう。誰かに似ていると思ったら…うちの子です。
さすがにカモメの真似をして飛んだりはしないけど、気になったものについつい手を出してやってみたくなっちゃうのは、子どもたちにそっくりです。
お話の展開も早く、短い話の中でくるくる場面が変わります。きっとジョージや子どもたちの興味も同じで、目に映る事や耳に聞こえる事全てがおもしろく、止まってなんかいられないのでしょう。
子どもたちは何でもやってしまうジョージを羨望の眼差しで見て、大人たちは何でも受け入れる黄色い帽子のおじさんに、尊敬の眼差しを向けずにはいられません。
ひとまねこざると きいろいぼうし
H.A.レイ:作 / 光吉夏弥:訳
岩波書店
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