matsubockrin 子どもの本棚

親子で読んだおすすめの絵本・児童書を紹介します。

あかちゃんだって つまんでパク!『くだもの』

ぶどう、なし、りんごなど、普段目にする果物が、本物そっくり、それ以上に美味しそうに描かれています。果物まるごと描かれていて、次に食べやすくむかれた形で「さあ どうぞ」と差し出されます。思わず「ありがとう」と受け取って食べたくなるくらい美味しそう!

1歳前後の娘も息子も、姪っ子も友人の子も、みんなつまんでパクッもぐもぐもぐ…と食べるまねをしていました。

だんだん食べられる物が増えて食が広がり、果物もたくさん食べて、美味しいものがわかって来たころ。

食への興味もうれしいですが、それより何より、本の中の果物を口に入れるごっこ遊びを自然としたこと、もぐもぐしながら「おいしいね」と笑い会えた瞬間、鳥肌が立つくらいうれしくなりました。

母がぶどうをつまんで「さあ どうぞ」と渡すと、きちんと受け取ってお口にパク!

もぐもぐする子どもたちを見ていると、あかちゃんにも「するつもり」でごっこ遊びを楽しむ能力が備わっているんだなあと感動します。

そういう子どもたちの潜在的な能力を、絵だけで自然と引き出してしまう本だと思います。


くだもの
平山和子:作
福音館書店