matsubockrin 子どもの本棚

親子で読んだおすすめの絵本・児童書を紹介します。

エルマーのぼうけん

言葉を話す不思議な猫から、どうぶつ島に囚われたりゅうの話を聞いたエルマーは、かわいそうなりゅうを助けに行くことにしました。そのりゅうはまだ子どもで、うっかりどうぶつ島に落ちてしまったところを動物たちに捕まってしまい、囚われて、川の橋渡しとして働かされていました。

エルマーはたった一人で船に忍び込んで島へ渡り、猫の話を思い出しながら歩きます。途中、侵入者を嫌う動物たちから何度も脅されますが、その度に素晴らしい機転でかわし、りゅうを助けに進みます。

 

小さな子が読む、初めての冒険の物語にぴったりです!不思議な猫から聞く不思議などうぶつ島やりゅうの話は、日常とかけ離れたファンタジーの世界に、子どもたちをすぐに連れて来てくれます。

また、エルマーが猫から言われて準備した持ち物は、輪ゴム1箱と棒付きキャンデー2ダース、虫めがね6つなど、どれも冒険に関係ないような物ばかりです。

でもどうぶつ島に着くと、それらがことごとく役に立ちます。

いわゆる“伏線回収”のように、持ち物とどうぶつ島での出来事がつながって解決し、「なるほど!」と納得してしまいます。

そして表紙、裏表紙の後ろに島の地図が載っていて、場所の名前や遭遇した動物などが描かれているのですが、お話を読みながら地図と照らし合わせると、エルマーがどうやって島を進んで行ったのかがわかります。

それがまさに探検地図を見ながら進んでいるようで、ワクワク感を大きくしてくれます。

 

文字が大きくひらがなも多いので、読み聞かせはもちろん、字を読む事に慣れてきた子どもが、自分で読むのにちょうどいいと思います。

娘が6歳、息子が4歳の時に読み聞かせをしましたが、娘はすぐに自分で読み始め、息子も一人で読んでいました。絵本ではない字だけの本を読むのは初めてだったので、とても驚きました。児童書を自分で読むきっかけと、読めるという自信になった貴重な一冊です。


エルマーのぼうけん
ルース・スタイルス・ガネット:作 / ルース・クリスマン・ガネット:絵 / 渡辺茂男:訳
福音館書店