14ひきのひっこし
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんと10匹の子どもたち、合わせて14匹のねずみ一家の引っ越しです。新しい家を探しに森の奥へと進みますが、途中天敵のいたちに出くわしたり、流れの速い川を渡ったりと危機を乗り越えて、ついに素敵な木をみつけてみんなで家を作ります。
ねずみ達がとても健気でかわいくて、時々クスっと笑ってしまいます。
人間と同じように服を着て、同じように失敗したり助けたりしている様子が丁寧に描かれているので、とても身近な家族のお話に思えます。
昔は当たり前だった、おじいちゃんおばあちゃんがいる生活、たくさんいる兄弟は、ひと昔前の大家族を再現しているのかもしれません。さらに自給自足で生活をする様子も、生活の原点を見せてくれています。
ねずみそれぞれが困っていたり頑張っていたりとストーリーを持っているので、お話の他にもたくさんの事を想像して楽しめます。人間と同じように生きるねずみの世界に入り込み、大家族の中でのあたたかい暮らしを想像し、いつの間にか自分もねずみサイズの視点で見ています。小さい生き物は世界がこんな風に見えているのか、こんな風に生活しているのかと、大人も子どもも際限なく想像の世界に入り込んでしまいます。
14ひきのひっこし
いわむら かずお:作
童心社
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